【千葉県西部地区父母会】落合恵子さんの「特別授業」を開催(2-21)

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 千葉県西部地区父母会(以下、千葉西部)は2月21日(土)に東京都千代田区の明治大学駿河台キャンパスで、作家の落合恵子さんを講師に迎えた「特別授業」を開催し、同地区の父母など約200人が明大OGでもある落合さんの講演に耳を傾けました。

 落合さんは、講演開始10分前に会場のあるリバティータワーに到着し、一息入れる間もなく登壇。横文字を交えたキーワードを黒板に書きながらの講演は学生向けの授業さながら。これまでの落合さんの人生を凝縮したような中身の濃い話しに聴講者は引き込まれ、時に頷き、時には涙を流し、気付いてみれば予定を超えた2時間におよぶ熱のこもった講演でした。

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 「21世紀を生きる…今、大人の役目とは」と題した講演で落合さんは、年齢や性別などによる差別に立ち向かうことを決意したのは15歳のときの母親とのやりがきっかけで、子どもの本の専門店「クレヨンハウス」を立ち上げたのもこのためだと話しました。極度の体調不良を食べ物で克服したことをきっかけにオーガニックレストランを開いたことにも触れて、「閉じられているドアを(自分で)開ける」ため、「周辺(弱者)の声を社会の中心に据える」ために挑戦してきた経緯を振り返りました。

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 落合さんはまた、東日本大震災の被災地に年間15万冊の絵本を届けた「HUG&READ」運動を始めたきっかけの一つが震災当日に神戸のタクシー運転手から聞いた「今度は私たちが支援する」という言葉で、弱い立場にある被災した子どもたちが「元気」や「自信」を取り戻し、苦境を乗り越えて欲しいという思いを込めた運動だったと説明。一方で、原発事故による立ち入り規制区域の住み慣れた自宅で「私はお墓に避難します」という遺書を残して93歳の女性が自ら命を絶ったことに言及。罪の無い市民が犠牲になる一方で誰が笑っているのかと、強者の論理が優先する現状を痛烈に批判しました。

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 そのうえで落合さんは、「子どもたちは(自分の出生を)選べない」「大人たちが(未来の窓を)開かなければいけない」として、子どもたちがこれから生きていく社会を、大人たちが責任を持って築いていかなければならないと強調しました。
落合さんは、痴呆症の母親を7年にわたり在宅介護したときの苦闘の日々を振り返るとともに、別れを迎えたときに母親への感謝の気持ちがこみあげてきたことを紹介。親子とは何か、子どもを愛するとはどういうことか、大人の役目とは何かを、改めて自らに問い掛けるよう父母らに訴えかけました。

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今回の講演は、千葉西部が4年に1度実施している特別事業として開催。出席率が9割に達するなど盛会のうちに無事終えることができました。会場の確保や設営などで支援を頂戴した父母会事務室に改めて御礼を申し上げます。