【神奈川県東部地区父母会】講演会「自己表現とは ~プレゼンスが鍵となる今後の世界~」報告(7-18)

講演会 報告

2015年7月18日(土) 15:30~17:00  場所 大学会館 3階 第1会議室

講師 : 三輪えり花先生(演出家、明治大学ビジネススクール講師)

テーマ:「自己表現とは ~プレゼンスが鍵となる今後の世界~」

 

 舞台演出家、俳優、脚本家、翻訳家、明治大学ビジネススクール講師と数々の分野でご活躍をされている三輪先生により、自己表現の重要性などについて、実演を含めた魅力的な講演をいただきました。

 

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 ”自己表現”とは、表現力であり、一人一人の存在感であって、 魅力につながる、というお話がありました。そして、これら表現力・存在感・魅力は日常の所作を変える訓練をすることによって変化し、自分自身を変えることができるという事でした。講義の中では、表現力・存在感・魅力、それぞれの要素についてお話がありました。
 表現力の要素とは、①表情、②動作、③話し方
 存在感の要素とは、①立ち姿、②視線、③呼吸
 魅力の要素とは 、 ①輝き、②パワー、③意図 だそうです。
 この事から、実際に行っている訓練方法を、我々も少し体験させていただきました。
(みなさんも一緒にやってみましょう!)
 まず、お腹を前に出すでもなく、ひっこめすぎる訳でもなく、体の中心にストンと乗る感じで背筋をまっすぐにして立ちます。そして、両手をまっすぐ前にあげて手のひらを目線の高さまであげてみてください。その手のひらの先を見るくらいの位置を意識してまっすぐ前を見てみましょう。手はおろし、そのままうなじをまっすぐに保ちながら、額を前方に持っていく感じでお辞儀をします。この時、腰から曲げるのではなく、股関節から体を前に倒すようにお辞儀をします。
 さぁどうでしょう?すごく素敵で綺麗なお辞儀になっていませんか?
 このように、お辞儀の仕方ひとつをとっても、姿勢や視線を変えてゆくことで”魅力”が増してゆきます。美しい立ち居振る舞いは、自身のためだけで無く、周りにもいい影響を与えられる事を念頭に置いて、私も日々心がけたいと思いました。
 そしてもう一つ、フォロワーシップの重要性として、提案に対しては同意をして賛同する方向へ話を進展させる極意を学びました。
 プレゼンスは個人に自信をもたらします。プレゼンスはお互いの関係を楽しくします。お互いを尊重し合えるため、「プレゼンスは世界を幸せにする事ができる!」という結果に繋がると言うわけです。難しそうですが、実はちょっとした事を意識するだけで世界が変わるといった事を教えてくださいました。そして、一つ一つがとても興味深く魅力的なエピソードで引き込まれる内容でした。

 

 最後に、三輪先生のご紹介をして終わりにしたいと思います。
「三輪えり花とは」(講義中の自己紹介より)
 社会性が無く”友達”との付き合い方がわからない、”友達”の概念が解らない、それが”いじめ”であることにすら気が付かない子供時代だったそうです。わかりやすく表現すると、「水の中にいてまわりの音や声がもごもごと曖昧に聞こえる」ような、別世界から人を見る子供時代だったため、自分は日本には合わないと思い、大学3年の時にカナダのヴィクトリア大学・演劇科へ交換留学を希望されています。しかし、その留学者選考試験では実は全くできずに失敗していますが、次の日の面接において、前日の試験の正解を全て口頭で述べ、その失敗しても諦めない、自らを変えていこうというプロセスが認められ見事合格しました。そしてそこから「人を選ぶ」という事がどういうことかを学んだそうです。
 また、自分の高いプライドが邪魔をして「笑われる事」=「恐怖」だったのが、カナダの演劇教育から「笑わせた」=「嬉しい」と考えを変えることができ、「大人になっても人は変われる」と考え始め、日本の初等教育に演劇を取り込もうと思うようになったそうです。
 舞台演出家、俳優、脚本家、翻訳家として、常に観客の求める物を分かりやすく面白く作り上げていらっしゃるのも、このような背景があったからなのだな、と納得できました。
 三輪先生、わかりやすく楽しい講演をありがとうございました。
 更なるご活躍を期待しております。

 

広報 外山、篠原