第19回明治大学シェイクスピアプロジェクト観劇報告

第19回明治大学シェイクスピアプロジェクト観劇報告

MSP公演「夏の夜の夢」「二人の貴公子」
11月4日㈮~6日㈰駿河台キャンパスアカデミーコモン
11月6日㈰YouTube生配信

写真提供:MSPゲネプロ時撮影のもの

この公演はプロの指導も入る本格的な学生演劇で、翻訳をはじめ、舞台演出、照明、衣装、制作など総勢223名の学生さんにより1年かけて一から作り上げたものです。
2004年に開始されて以来毎年多くの方が観劇し、学生演劇で日本最大規模を誇っています。
今年度は第13回以来の再演でありシェイクスピア随一の作品と評される「夏の夜の夢」と背景設定を同じくする「二人の貴公子」の二つの物語がパラレルワールドのようになっています。

写真提供:MSPゲネプロ時撮影のもの

―恋をすると、人は「おかしく」なる。
このテーマからも観劇前から興味を惹かれ想像が膨らみます。
シェイクスピアと聞くと難しいと思われがちですが、台詞は韻を踏んだり、リズムを工夫したりして、翻訳されており、分かりやすく明快な展開にあっという間に引き込まれました。
そして、キャストはもちろんのこと、楽器隊の生演奏や細部にまでこだわりをもった舞台は、プロの演劇と見劣りしない素晴らしさでした。

写真提供:MSPゲネプロ時撮影のもの

このこだわりの1つの例として、舞台上部に灯されていたランタンを「夏の夜の夢」では月明り・妖精のイメージとして丸(又は丸い形)に「二人の貴公子」では街頭・建物の明かりのイメージとして四角(又は四角い形)にと公演ごとに付け替えているそうです。舞台全体の芸術的な美しさには、このような工夫の積み重ねがあります。
また作品はどちらか一方だけでも十分に楽しむことができますが、両作品を鑑賞すると全体で1つの作品ともいえるとても凝った面白い作品でした。
帰りにはキャストの皆さんに見送り頂き拍手で送られ会場を後にしました。学生さん達のおもてなしに更に感激して最後の最後まで夢見心地な時間を過ごさせて頂きました。

今年度はYouTube配信のアーカイブで楽しむこともできるようです。

YouTube
「夏の夜の夢」
https://www.youtube.com/watch?v=tH7fBeGBm18
「二人の貴公子」
https://www.youtube.com/watch?v=mMu7IFHVe7I

来年の演目は、第20回を記念してシェイクスピア悲劇の最高峰「ハムレット」です。
今年お見逃しの方は、ぜひ来年行かれてみてはいかがでしょうか。

明治大学シェイクスピアプロジェクトHP
https://www.isc.meiji.ac.jp/~bunpro/