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東京都西部地区

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【東京都西部地区】「安藏伸治教授特別講演会」のご報告

 快晴に恵まれ、春の陽気が感じられる3月9日、明治大学政治経済学部教授で明治大学付属明治高等学校・明治中学校の校長でもある安藏伸治(あんぞう しんじ)教授の特別講演会を、明治大学グローバルフロント1階、グローバルホールにて開催いたしました。
 安藏教授は明治大学で経済学修士を修められた後、南カリフォルニア大学で社会学の博士号を取得されています。人口学がご専門で、内閣府の有識者会議「少子化危機突破タスクフォース」の委員をされています。
 特別講演会では、「わが国の人口と将来 ー人口学から少子化を考えるー」というテーマでご講演いただきました。少子化は日本が直面している深刻な問題ということもあり、明大生のお子様を持つ父母の方々中心に約80人の聴講者が集まりました。

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受付の様子

 安藏教授のお話は、出生率や婚姻に関係する統計など多岐にわたるデータをもとに分析されたもので、あらためて日本の少子化の実態がよくわかり、その要因と対策についてもとても説得力があるものでした。父母の方々に身近な話題も豊富で、終始笑いに包まれた講演でした。
 ご講演に先立って、安藏教授から明治大学の状況をお話いただきました。「20年経っても最先端」であることを目指して安藏教授が計画に携わった「リバティータワー」のお話や、ポータルサイト「Oh-o! Meiji」を立ち上げたこと、常に全国で指折りの受験者数を誇る大学入試の状況や、大学からのサポートが充実している就職についてもお話いただきました。就職活動に向けては「自己を見つめ直すことを早くやっておくように」とアドバイスをいただき、参加された父母の皆さんは早速お子さんに伝えていることでしょう。特に就職は本日のメインの話題に深く関係するものでした。

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終始笑いに包まれた、和やかな講演会でした

 ご講演ではまず、少子化の原因について解説いただきました。少子化が進む日本では、合計特殊出生率が2005年で1.26になり一旦底をつきます。以後、ゆるやかな回復基調にありますが、これは楽観できないそうです。第2次ベビーブーム(1971〜74年)前後で生まれた女性による出産が合計特殊出生率を後押ししていました。それ以下の世代では今でも減少しております。
 出生数の約98%は結婚している女性の出産で、結婚している女性からの出生率はそれほど大きく低下しておらず、また、夫婦で予定している子どもの数が2人というのも近年変化していません。一方で未婚者の割合は男女ともに増加しています。
 晩婚化で出産年齢が押し上げられ、第3子出生、次いで第2子出生へと影響し、晩産化が進みます。つまり、未婚者割合の増加が少子化の主な原因となっています。第1子出生時の母親の平均年齢は上昇を続け、すでに2014年には30歳を超えており、「このままでは益々の人口減少は避けられない」と、安藏教授は力説されました。

 では、男女の晩婚化の原因は何でしょう?晩婚どころか、男女ともに「生涯未婚」が増加し続けており、2035年には男性の29%、女性の19%が一生涯独身という推定値も紹介され、決して他人事ではない父母の方々はますます安藏教授のお話に引き込まれました。
 晩婚化の原因には「家族の変化」もありました。今は、経済的に自立できるようになっても親との同居が許されます。未婚の若者にとって、母親から心地よいサービスを受け、父親から経済的な援助のある環境はあまりにも恵まれすぎているのです。安藏教授は「お子さんを早く外に出してください」とおっしゃり、会場の笑いを誘いながらも、父母の方々には胸に刺さる一言でした。
 両親から受けた支援を相手に求めること、結婚後の理想とする収入額や結婚に関する価値観での男女間のギャップ等々も晩婚化を促進しています。「結婚できない理由」として挙げているのは男女ともに「適当な相手にめぐり合わない」ですが、年収など、相手に求める条件などでミスマッチが起こっているところで、適当な相手を見つけにくいと安蔵教授は解説されました。

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    数々の統計データから何がわかるか、
    わかりやすくお話くださいました
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    質疑応答も大いに盛り上がりました

 

 それでは、少子化対策として、どうすればいいのでしょう?
 女性の「ライフコース」について、「結婚し子どもを持つが、仕事も一生続ける」ことが理想と考える人が男女ともに増えています。また、30〜34歳の平均年収を男女で足せば700万円ほどになり、生活には困らなさそうです。一方で、結婚や出産といったライフイベント毎に女性の正規雇用の割合が減少しており、第2子出産後は2割を切ります。女性にとっては就業継続が困難な状況が改善されない限り、安定的な収入が望まれず、結婚しようという気にならないわけです。
 待機児童など育児支援が話題の中心になりがちですが、実はすでに結婚して子どもを持っている人の割合は少なく、むしろ、出産できる世代の未婚女性が結婚し、出産後も就業を継続し、家族形成しやすくする環境を整備しなければならないのです。オランダなど海外で普及しているテレワークなど、多様な労働環境の整備はもちろん重要ですが、「父親が夕食時に同じ食卓にいること」を安藏教授が強調され、会場にいる父親の皆さんは笑いながらもこれまでの行動を反省しました。

 日本の少子化対策として重要なのは、20歳代前半までに「共働き」で結婚することができ、女性が結婚・出産後も就業を継続できる社会を実現することでした。とてもわかりやすく、また、とても楽しく話していただいたので、1時間にわたるご講演はあっという間に終わった感じでした。
 父母の方々にとっても、今、自分の子どもたちに教えなければならないことや、自分たちが子どもたちに対してしなければならないことを沢山教えていただき、とても貴重な機会となりました。質疑応答の時間も、父母の方々からご自身の経験の紹介があったり、安藏教授からも教え子さんとの面白いエピソードがあったりで、大変盛り上がりました。
 最後に、東京都西部地区父母会の代表から安藏教授に花束が贈られ、会場は安藏教授への感謝の拍手喝さいで包まれ、特別講演会は幕を閉じました。

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    熱心に聞き入る参加者のみなさん
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    父母会から感謝の花束贈呈

 

 明治大学東京都西部地区父母会では、今後も父母の皆さまの関心の高い話題を採り入れ、時宜にかなった講演会を企画してまいりたいと思います。皆さまのご参加をお待ちしております。


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安藏教授を囲んで、やっぱり明治がナンバーワン!