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千葉県西部地区

Kanto

第20回明治大学シェイクスピアプロジェクト 観劇報告~アカデミーホール

『生きるか、死ぬか、それが問題なのだ。』
冒頭のハムレットの苦悩に満ちたこの台詞から、私たちは一気に物語へと引き込まれました。

11月というのに夏日のような暑さの中、第20回明治大学シェイクスピアプロジェクト(MSP)、『ハムレット』が、4日、5日、6日の3日間(全5公演)アカデミーホールにて上演されました。

今年で20回目となるMSPは、同大学出身で俳優の原田大二郎氏が、
「明大出身であるからにはシェイクスピアをよく知っていると言い張れる学生を作りたい。そのための活動の場を作りたい。」と、構想を持ち掛けた事に端を発し、全学部生対象のシェイクスピア教養講座が誕生。その受講生から有志を募る形で集められたキャストにより、2004年に第1回シェイクスピア公演が開催されたという経緯を持つそうです。

学生演劇としては最大級、大学主催の活動という点でも珍しいと言われており、演者はもちろん、プロデュース、演出、翻訳、脚本、舞台造作、音楽、照明、衣裳、etc…
すべて明大生で構成され、今年は230名ものスタッフで作り上げられた力作です。

2023年のMSPはシェイクスピアの四大悲劇の一つである『ハムレット』
城に現れた父王の亡霊から、叔父(クローディアス)の企みによって父親を殺害された事を聞かされたハムレットが、悩み、苦しみながら叔父への復讐を成し遂げようとする物語です。

兄を殺し、王位と妃を手に入れたクローディアス。
叔父の隠蔽している罪悪を暴露するために狂気を装い、復讐の機会を狙うハムレット。
貞淑を装いながら義弟との再婚に急いだ母、ガートルード。
ハムレットとの恋に揺れながらも運命の渦に飲み込まれ精神を病んでいくオフィーリア。
父妹を愛するが故、クローディアスに利用されハムレットとの決闘へと突き進むレアティーズ。

台詞回し、場面展開、どれも秀逸で、それぞれの役の心の葛藤が台詞や表情により丁寧に表現され、私たち観客の心をどんどん引き込んでいきます。
客席側から登場し舞台へ駆け上がる演出があったり、息つく暇もないほどに2時間30分という公演時間があっという間に流れていき、いよいよ物語はクライマックスのハムレットとレアティーズ(このレアティーズ役は、千葉西部父母会Uさんのご子息です!)の決闘シーンへ。

振り下ろす剣の空を切る音や息遣いが客席まで響き、思わず息をのむ迫力。

悲哀に満ちたハムレットやレアティーズの演技で会場内には涙をぬぐう姿も見られ、物語は悲しいエンディングへと進みます…

最後の舞台上でのカーテンコールでは、会場からの割れんばかりの拍手が起こり、MSPに携わった全ての学生さんへの敬意と称賛が贈られていました。

今月中には、早くも来年の公演に向けての活動が始まるそうです。
20年の節目となった今年、『ハムレット』の大成功で新たな一歩を踏み出したMSP。
これから先、10年、20年と歩み続けて行く姿を、見守って行きたいと強く感じた一日となりました。
MSPの皆さま!すばらしい感動をありがとうございました!

『―行こう、MSPの運命がよんでいる!』

(11月6日の千秋楽公演はYouTubeにて配信されています。お時間のある方はぜひご覧ください。)
https://www.youtube.com/watch?v=MFUtpll4-mg

(レポート:4年 志垣)