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【長野県】【連合】「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記開催報告

長野県父母会主催、連合父母会共催イベント「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記が、令和4年3月12日(土)にZoomウェビナーにて開催されました。事前申し込みが必要なイベントに、266件もの日本のみならず海外父母会からもお申し込みがあり、多くの視聴者の皆さまとともに当日を迎えることとなりました。冒頭自らミュート解除を忘れスタートするというハプニングを巻き起こした司会進行・ファシリテーターにより、笑いから始まった「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記。視聴者サイドからのチャットによるバックアップも行っていただきながら幕を開けました。

今回共催いただきました連合父母会を代表して、吉野会長にごあいさついただきました。いつも以上に笑顔なのは、無事バトンが渡り「ほっ」とした心の表れでしょうか。

本日のプログラム。
企画者サイドではありますが、今回のイベントを開催前から楽しみにしておりました。

今回のイベント名でもある「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記。こちらのコーナーでは、学生パネリストとして明治大学4年の学生さん3名にご出演いただきました。

01学年・学部学科・氏名
02内定先
03ガクチカ

(右上)経営学部会計学科4年 中野 秀明さん 長野県出身
内定先:野村証券株式会社
ガクチカ:応援団/渉外/連盟代表
(左上)法学部法律学科4年 中野 拓土さん 兵庫県出身
内定先:パナソニックハウジングソリューションズ株式会社
ガクチカ:明大スポーツ新聞部/編集長
(左下)政治経済学部政治学科4年 安川 暢恵さん 東京都出身
内定先:キッコーマン株式会社
ガクチカ:オンライン留学(協定校留学)

04就活の開始時期は?
05 ESってなあに?どれくらい作成するの?苦労した点は?
06インターンシップってなあに?何社くらい受けるの?

ご父母の中には就活ワードを知らない方もいらっしゃるということで、質問に答えていただく前に学生パネリストより就活ワードの説明が行われました。
ES(エントリーシート)とは自分をアピールするために一番必要になってくる材料で、質問内容は企業により異なり、大きく3つの質問(ガクチカ・自己PR・志望動機)はより多くの企業で聞かれることが多いと拓土さんより説明がありました。
インターンシップとは長期(半年ほど)と短期(1day~)があり、サマーインターンから始める学生が多く選考につながることもあると暢恵さんより説明が行われました。
就活を始めた時期・ES作成数・インターンシップ参加数は3者3様でしたが、「就活の開始時期は早いほうがいい」ということが体験談から分かりました。

07内定をいただいた中からその企業を選んだ決め手は?

秀明さんは競い合う環境(成長環境)とOB訪問の中で出会った人、拓土さんは社員の方の人柄や一番自分らしく働けそうだと感じた雰囲気、暢恵さんは留学経験を活かし海外シェアが高い企業且つ「しょうゆ」という日本特有の文化を海外に発信できるというオリジナルの面白み、そして3人に共通し「人を大切にする部分」を選んだ決め手として挙げていました。

08地方出身でひとり暮らし、苦労した点は?工夫した点、役立った情報、アイテムなど

ひとり暮らしの学生たちは就活の際に「時間管理が大変」だということが分かりましたが、部活の同期や周囲の仲間に助けてもらいながら進めていったという経験を秀明さんは話されました。
一方、拓土さんはなかなか内定がもらえず実家に呼び戻されたことや、監禁状態で常に家族の厳しい目があり息苦しさを感じたという、まさにリアルな赤裸々体験談を、ママ友談話なども交えながら話し、結果的には家族の支えやちょっとしたアドバイスがきっかけとなり就活が上手くいったとまとめ、話の展開に明スポ編集長の手腕が感じ取れました。
暢恵さんは家族と住んでいることでPR動画制作時の羞恥心やオンライン面接時部屋に入ってこないよう伝えなければならない点を苦労した点として挙げていました。

09コロナ禍オンライン面接中心のお財布事情

基本のスーツ、靴、鞄、そしてオンライン環境の整備費用(PC用の高さ調節スタンド、照明など)に加え写真代、本(SPI:総合適正検査、学生によっては四季報ほか)、メイク道具などの費用も必要で、ひとり暮らしの学生たちは「お財布面をサポートしてほしい」ということが分かりました。

10これから就活生を支えるご父母の皆さまにお伝えしたいこと、地方出身だからこそ支えになった言葉・出来事、支えてくれた家族との関わり・・・コロナ禍の就活を乗り越えた先輩より後輩へのメッセージ

秀明さんは東京に憧れ上京したが地元の良さを振り返るチャンスだったことや、今度はもたらす側で全ての出会いや出来事に感謝し恩返しをしていきたいという思いを語ってくれました。
拓土さんからはストレス対処法を持っておくこと、ご父母へはストレスが溜まりにくい環境を整えてあげること、過干渉にならず適度な距離感を保つことのアドバイスがありました。上京したことが自分にとっての財産と話すその表情からは、学生生活の充実感や達成感がしっかりと感じ取れました。
暢恵さんからは「就活はゲーム?楽しむくらいの気持ちで!!」とホワイトボードでメッセージがあり、企業からお祈りメールをもらっても自分自身を否定されたと思うのではなく、ただ単に相性が悪かったと思い次に行くくらいの気持ちでいたほうが良いこと、学生たちは心のどこかで親に褒めてもらいたいという、自己肯定感を求める気持ちがあることが伝えられました。
今回ご出演いただいた学生パネリストの皆さんは、企業から内定をいただくという成功体験により、内から自信がみなぎり本当にいい表情をされていました。それぞれカラーも就活への取り組み方も違いましたが、今回のタイトルともなっている「リアル」な就職活動について多方向から体験記をお話しくださり、ご父母の皆さまの「本当に知りたい就活事情」を見事にカバーしてくれました。

学生パネリストの皆さま、新生活に向けた引っ越し等でお忙しい中、ご出演いただきありがとうございました。

次のコーナーは今回の密かな目玉企画、「オヤジ」の「オフクロ」のリアル就職活動バックアップ体験記。

ご父母パネリストは4名(当初3名の予定でしたが中野家がご夫婦でご出演くださり4名となりました)、コロナ前の平時、コロナが始まった頃、コロナ禍と、3学年に渡り長野県父母会よりご出演いただきました。学生パネリストの秀明さんにはシークレットのサプライズで、なんとお父さまお母さまにもご出演いただきました。コーナー冒頭ではZoomウェビナーでの親子対面が実現しました。中野さんご夫妻のPCに本番で音声トラブルのハプニングが発生しましたが、ピンチをチャンスに変えてしてしまうのが長野県父母会です。

01卒業年度・ご子女の学年・学部学科・氏名
02ご子女との普段のコミュニケーションツール

(左下)2019年度 上條 俊行さん
ご子女の就職先:セキスイハイム信越株式会社
コミュニケーションツール:携帯・LINE
(右下)2020年度 清水 澄子さん
ご子女の就職先:IBM本社/セールスエンジニア
コミュニケーションツール:LINE
(右上)2021年度 中野 千寛さん・久仁子さん
ご子女の内定先:野村証券株式会社
コミュニケーションツール:電話?

03地方出身学生、親元離れてひとり暮らし、就活時どういったことを親として気にかけた?
04内定先企業について親子で話し合った?

上條さんからは息子さんが跡取りでUターンでの就職を希望していたこと、彼女が地元にいたこと、地元での就活にはインターネットの就活サイトや企業のホームページの採用情報、長野県の企業が集まるUターン就職説明会に参加し情報を集めたこと、在学中スピードスケート部に所属し元気で挨拶ができる長所を生かしつつ本人が希望する「人と接する仕事」に就いたことなどのお話がありました。
清水さんからは息子さんの就活について、ちょうどコロナが始まった頃にコロナ疎開で実家に戻りオンラインで面接を受けていたこと、自己分析をしっかりすることで軸がぶれることなく企業選びや面接での質問の回答に困ることや迷うことが少なかったこと、息子さんが自己分析をする中で親のサポートとして一番役立ったと言われたことは子どもの頃自分がどうだったかを丁寧に話してくれたこと、子どもに伝える際は自己肯定感を高めるためにあまり悪いことは意識して言わないようにし長所やこだわりを伝えたこと、適度な距離感についてはあまり干渉し過ぎず放置し過ぎず話しかけてきた時に親が聞きたいことではなく子供が話したいことをしっかりと聞いたことなどのアドバイスがありました。
音声トラブルのあった中野さんご夫妻からは、自分の好きな道に進むこと、元気で働けること、よく考えて自分に合う会社を見つけてほしいこと、内定企業については内定後に秀明さんから話があったこと、証券会社は大丈夫か心配していることなど、筆談で視聴者に掲示されました。

05平時とコロナ禍での就活全般お財布事情、履歴書写真・スーツから就活交通費までHow much?

学生パネリストの皆さんに行った質問をご父母パネリストの皆さんにも行いました。コロナ禍オンライン面接が主流となった現在より、平時の就活のほうがお金がかかったことが分かり、スーツ、シャツ、ネクタイ、靴、バッグ、写真、OB訪問などの交通費に加え、時期によってはコート、通信費(ギガ追加)も必要であることが示されました。
中野さんご夫妻からは就活時より新社会人スタート時のほうがお金がかかるとの掲示もありました。

ご父母パネリスト調査でも分かりましたが、世間でも平時とコロナ禍では就活全般にかかる費用の傾向が4~5割コロナ禍減少してきており、親の懐事情的にはオンライン面接にメリットがあるということが分かりました。

06最後に就活生をささえた先輩からご父母の皆さまにメッセージ

上條さんからは部活によっては競技に集中させるためアルバイト禁止の部もあり、その場合は親が全面的にバックアップを行うとの話や、仕事を活かし就活の写真をフォトショップで加工した話、面接会場まで車で送迎した話などがありました。
清水さんからは明治大学にはキャリア支援センターという強力なバックアップ体制があること、多くの学生は不合格通知、いわゆるお祈りメールをもらったり面接にたどり着いてもなかなか思うようにいかず大変な思いをすること、周囲が内定をもらい始めると焦り始めたりお祈りメールをもらうと自分を否定されたような気持ちになること、最後の親の役目として子供の気持ちに寄り添い声かけを行うことなどアドバイスがありました。
中野さんご夫妻からは親としては大きな会社で安定していて給料も高くてと思いがちだが若者の考えは全く違うこと、親の思いや考えを押し付けないこと、本人が不安になり落ち込まないよう、電話してよく話すことなどアドバイスがありました。これからも明治で学んだ誇りと友情を持って元気で頑張ってほしい、音が出ずすみませんとのメッセージとともに掲示してくださいました。

ハプニングもありましたが柔軟にご対応いただきありがとうございました。

ホクト株式会社 人事部人事課 島田正秀さまよりご講演いただきました。
3度目のハプニング!イベントの際はZoomの画面共有を有効にしておきましょう。(父母会連携事務室に捧げる)

入社8年目、新卒入社から人事課に配属され、外国人実習生の受け入れや社会保険・労務管理全般を担当し、2020年10月から採用業務に携わり、2021年1月から社会保険労務士として登録し、採用業務と並行し様々な業務を行っているという島田さまの自己紹介から始まりました。

今回のイベントでどんな話をしようかというところを、上司も含め社内でご検討くださったとのこと、感謝しかありません。

本日のアウトライン
1. なぜ就活するの?
2. 就活に対する採用側の考え
3. 結局就活とは?
その他 ホクト株式会社についてのご紹介

改めて「就活って何だろう?」というところを、就活生、それを支えるご父母でこの機会に考えていただけること自体が有意義ではないかとお話がありました。

なぜ就活するのか。「働く」ことを自分の人生の中でどう位置付けるか、自分の価値観と相談し行っていく必要があり、学生の皆さんが、就活、起業、フリーランスの中でなぜ就職というところを選ぶのか、改めてそういったところを考えることで、就活の意味というところが明確になるとのご説明がありました。

なぜ新卒採用するのか。

雇用形態のご説明も行われました。

実際のところ「企業が求める人材ってどんな人?」という部分について、2022年1月公表の経団連企業アンケート結果から「資質」と「能力」であり、他人に答えを求めるのではなく、自分で考え行動できる人が求められているとお話がありました。

企業をよく勉強しているか、素直に自分を表現できているかを企業側はみており、ESと実物、話し方や身なり、どんなに立派なことが書かれていても取り繕って話をしている学生はなんとなく見抜けてしまうとのことでした。会社に入ってから自分を成長させようという意欲が感じられるか、またその人に可能性を感じるかどうかというところもみているとのことでした。ありのままの自分らしさを考えて相手に伝えることが大事で、その結果上手くいかないということになっても入社前にミスマッチを防げたカタチとも言えるとのことでした。

企業により人材要件は様々ですが、学生に必要なのは「就活の軸」「自分の売り」を持っているということで、それがなければどこで自分の力を発揮できるかが分からないとお話がありました。先日の日経新聞の記事を紹介しながら、やりたい仕事が分からないという学生には「学生人気企業」(ランキングのようなもの)を検索し、興味のある企業とない企業を自分で〇×していくと、潜在的に何で判断しているかというところに気づけるきっかけになるとのアドバイスもありました。判断基準が言語化できるようになれば、軸であったり自分の強みと関連付けて企業選びができるのではないかとのことでした。但し、最終的に判断するのは企業側になるため、「自分が思う理想の自分」と「企業がいいと思う学生」というのは必ずしも一致しないのが現実であり、できる限りありのままの自分を表現したほうが後悔しないのではないかとのことでした。

何が就活の成功で何が失敗なのか、ここでいう就活の成功・失敗に関しては、あくまで企業で働くための手段が成功・失敗したということに過ぎず、本当に良い選択だったかどうかは働いてみないと分からないとお話がありました。

就活が目的となると、そこで成功・失敗という話で終わってしまうため、就職後どうありたいか、本当の目的というところを考えていただけたら良いのではないか、「今の自分」を見つめ直し「ありたい自分」を実現する、表現するところではないかとアドバイスがありました。目先の内定のために取り繕っても後で自分に無理が生じること、企業研究は大事だがそのためには自分を見つめ直すことが重要だというお話がありました。自分を成長させよう、先ずは必死にやってみようというのも1つの手段であり、就活はネガティブなイメージを持たれやすいが、ぜひポジティブに捉え、企業説明会やインターンシップへの参加、OB・OG訪問に出向き、ホームページにはない事実を自分で探すことで「ありたい自分」を実現できる企業に出会えるのではないかとお話くださいました。企業目線での就活に関する貴重なご講演となりました。

ここからはご講演いただいたホクト株式会社さまのご紹介コーナーとなります。
きのこ、の~こ~のこげんきのこ♪で知られるホクトさん。
ホクト産業株式会社が創業の海外にも拠点のあるグループ会社だったんですね。

子育て応援やグローバルギャップ安全安心という世界的認証も受けていらっしゃるようです。

ホクト株式会社さまの例を挙げ、企業での採用から入社後の流れについてご説明くださいました。合説イベント真っ最中、お忙しい時期でのご講演、本当にありがとうございました。

ご講演翌週にはオンラインセミナーが開催され、現在ES受付中という、まさにZoomウェビナーならではのホットニュースも伝えられました。学生及びご父母の皆さま、3月解禁、まさに「旬!」ですよ。

信州発!『信濃の国』出身学生コロナ禍応援企画~愛は明大生を救う!~まるごと信州宅配便に次ぐ学生応援企画第2弾、「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記での貴重なご講演をありがとうございました。

「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記、最後にバトンを受け取ったのは、長野県そして明治大学をこよなく愛するスペシャルゲスト、明治大学法学部OB 松山三四六氏。
「三四六さん」「三ちゃん」の愛称で知られ、「信州民で三四六さんのことを知らない人はいない」と断言できるくらい、ここ長野を拠点とし、テレビ・ラジオ・YouTubeなどで活動されている三四六さん。タレント、歌手、ラジオパーソナリティ、柔道家、そして長野大学福祉学部客員教授としてマルチにご活躍されておりますが、長野県父母会の企画「まるごと信州宅配便」をラジオで取り上げてくださったことがきっかけで、ご縁がご縁を呼び寄せ、今回ご出演の運びとなりました。明治が、長野が誇れる、松山 三四六氏によるご講演が、Zoomウェビナーというカタチで世界に配信されました。

明治大学附属中野中学・高校、そして明治大学法学部と紫紺色に染まる三四六さんですが、小学4~6年で柔道日本一、明大中野時代は柔道部キャプテン、2度の全国大会制覇もされている経歴の持ち主でもあります。大学2年生の時に3回目の肘と膝の手術を行い、「もうこれ以上は競技を続けないほうがいいだろう」という挫折をしたご経験を乗り越え現在に至るまでの過程を、面白可笑しく、そして熱く、時には観ている視聴者の涙も誘いながらご講演くださいました。
「その挫折を何かに使う就職がしたい」という思いから、社会科教師、吉本興業、バックパッカーでアメリカ放浪、ハリウッドのお寿司屋さん・・・。千葉真一さんや松山千春さんとの出会いや別れ、そして東京FMラジオパーソナリティとしてのスカウト・・・。「回り道は多くを学ぶ近道です」と話す三四六さんですが、27歳まで紆余曲折、挫折に挫折を繰り返し語るその言葉は、視聴していた学生やご父母視聴者の胸に響きました。

「企」は「人が立ち止まる」と書きますが、稲作農耕民族である先人が、畑を耕し種を植え水をやり肥やしをやり、そうやって出来上がっていく農産物で年貢を納めお給料を得ていく中で、もっといい作物はできないか、もっと喜ばれるものはできないか、誰よりも美味しいものは作れないかとあまりにもそのことについて真剣に考えてしまったために、鍬を立てて人が立ち止まり考えたことから「企(鍬を立てる→くわだてる)」という字ができたとの話がありました。現代では「企(くわだてる)」という言葉を使うと悪い意味に捉えられてしまいますが、本来の意味は「人が立ち止まって考える」ことからできた字で誉め言葉であり、「顧客のために顧客のことを思って一生懸命に立ち止まりながら考えた」とのご講演に、目から鱗、共感しながら吸い込まれていきました。確かに「企業」の「企」にも用いられています。しかし、その後経済大国日本が金融グローバリズムに組み込まれていったことにより、1円でも多く、人を騙してでもと進む中で、本来持つ言葉の意味を失ってしまい、大金持ちや大富豪になった人が「もともとそんなつもりじゃなかった」と、心を痛めて悩んだりするその背景には、前記の血が流れているからだとお話しされる三四六さんの言葉に、ぬくもりを感じたのは筆者だけではなかったはずです。

中島みゆきさんの「糸」の歌詞を取り上げ、「人はそれを仕合わせと呼ぶ」その仕合わせ(席を譲ったりごみを拾ったり自分にとっては労力で相手にとっては楽をさせること)が日本人の仕合わせ観であり、これをすることで返ってくる言葉が「ありがとう=有ることが難しい=有り得ない」であり、日本人はこの「ありがとう」というハンコを沢山もらうことで極楽浄土に行けるんだと思っていたのではないかとのお話をされました。「仕合わせで行く事」が「仕事」であり、日本人にとって仕事はビジネスではなく、仕合わせでいってありがとうと言われることの行いでしかなく、これが日本人の奥底に流れている仕事観ではないかと語ってくださいました。
先のコーナーでお話しされた中野さんご夫妻が「親としては大きな会社で安定していて給料も高くてと思いがちだが若者の考えは全く違う」「子どもたちはもっとやりがいを持っている」と話されたことを嬉しかったこととして取り上げ、「オヤジ、オフクロ、そういうことじゃないんだよ!オレは何でここに就職するかっていったらそういうことじゃないんだ!」と子どもたちが話した際は、恐らく「仕合わせでいく事」を思っているのではないか、そのことを彼らは説明できないが代わりに説明をしてあげたいと熱く語られるその姿は、三四六さんが長野県民に愛され続ける理由が凝縮して見えた瞬間でした。
ご父母パネリストの清水さんがお話しされた「寄り添い認める」「自己肯定感」についても取り上げ、「あなたはあなたのままでいい」ということも、アナ雪の歌とともに語ってくださいました。
これから就職する学生たちに「自己有用感」を持ってもらいたいとお話しされた三四六さん。自分はいなきゃダメなんだ、自分は何かのためになっているんだ、社会から求められた存在なんだと、しっかり自信を持ってもらいたいとお話しされる姿は、学生たちに待ち受けるであろう様々な試練や社会の喧騒の中で「生きる」背中を強く押してくださいました。
「人は何かになるために生まれてきたのではなく、何かのために生まれてきたのです。」あなたはこの世に必要とされ生まれてきたんだよと、そう自らに語りかけ肯定してくれているようでした。
5歳の子どもに「大きくなったら何になるの?」とインタビューをした朝日新聞の記者の話を取り上げ、その5歳の子どもが記者に対し「大きくなったら何になるって大きくなってもボク。」と答えたことを、人はそれでいい、大きくなっても何にもならない、僕はラジオパーソナリティだと言われたが別にパーソナリティという人格ではなく僕は僕である、あなたがもし社長になってもあなたはあなた、あなたが平社員でもあなたはあなた、あなたが専業主婦でもそうと話された際、ご視聴されていた皆さまと同じように幼い頃の自分を思い出していました。何かになるために頑張るのではなく、社長になるために頑張るのではなく、先生になるためでも大金持ちになるためでもなく、目の前の人からありがとうをもらい笑顔になってもらうために頑張る、何かのために生きる、そうすることが最も重要なのではないかとお話しされた頃には、堪えていた涙が溢れ出していました。
学生たちは見えない敵のコロナや他国の戦火といった非日常のマイナス面の中で、チャンスを奪われ、右往左往する大人たちを訝り、上手くいかず、青春を剝奪されたが、だからこそ何かになろうではなく、困っている人を笑顔にしてあげたい、こういう社会を変えようといった気概が生まれてくるのではないか、暴論を吐いて人生を投げてしまうことは簡単だがそうではない、もしかしたらこれは大きなチャンスなんだと熱く語る姿は、前を向いて強く歩む人生の羅針盤のような存在感を見せつけてくれました。学生たちには「コロナ後の世界はこうなったんだというものを見せてほしい」、ご父母へは「大人は君たちの未来を諦めてないぞ、応援してるんだぞということをメッセージとして送り続けることが重要で今回のようなイベントはとても大切」と、ご講演前のZoomウェビナーをご視聴し共感くださった三四六さん。明治大学という学舎で学んだ仲間たちは貴重な出会いであり、目の前に現れた人を幸せにしよう、笑顔にしようということに力を尽くすということは大切であること、そして明けない夜はないこと、回り道は多くを学ぶ近道であることを最後に伝え、僕たちちょっと先を生きたお父さんお母さんはずっと死ぬまで応援団でいることを誓うと代弁してくださいました。最初から最後まで熱く、心温まるご講演をありがとうございました。

「ご清聴感謝!松山三四六でした。頑張れ!」

最後は連合父母会大澤副会長よりお話があり、自身のお子さんも3年生ということで、プレッシャーをかけずに子どもたちを信じること、金銭面でのバックアップを行うことを感想としてお話しされました。ご出演いただいた学生及びご父母パネリスト、ホクト株式会社島田さま、松山三四六氏への感謝を述べまとめてくださいました。

オペレーションを行った父母会連携事務室の進行表とは全く違う画面振りに、大画面で泣き顔を抜かれるといった大失態とともに、感動の余韻に浸りセリフを全く考えていなかったことから思わずフリーズしてしまった司会進行・ファシリテーターでしたが、それ以上にご出演の皆さまからいただいた幸福感に包まれ、温かい気持ちで満たされた1日となりました。

「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記
申込状況及び終演後アンケートフォームより
参加申込数:266件

ご意見・ご感想より抜粋.pdf
お詫び
終演後、アンケートフォームが上手く表示されない、又はかなり時間が経って表示されるケースがありご迷惑をおかけいたしました。ご連絡をくださった方々に感謝申し上げますとともに、原因究明に努めてまいります。

謝辞
学生パネリスト及びご父母パネリストの皆さま、長野県を代表する企業としてホクト株式会社人事部人事課及び関係者の皆さま、明治大学OBとして松山三四六氏及びコネクト株式会社関係者の皆さま、今回の企画に関し部活やサークル内への広報を行った学生の皆さん、父母会連携事務室及び連合父母会執行部の皆さま、そして長野県父母会役員、多くの皆さまの惜しみないご尽力のもと、今回の企画が無事終演しましたことに心より深謝申し上げます。
連合父母会初の地方発Zoomウェビナーによる全国・世界発信企画でしたが、当日はZoomあるあるハプニングも随所に盛り込まれながら「これなら自分たちでもできるかもしれない!」と、地方父母会を勇気づけたアットフォームなイベントとなりました。こんな時だからこそ「ツナガラナイナンテ モッタイナイ!」「イイものは皆で共有」のスピリッツで、世界でも類まれな大学での父母会というボランティア組織を、地方から支え、高め合っていければとチャレンジした企画でした。学生やそのご父母を応援するインフルエンサーとして、その活動を日本のみならず世界へ発信すべく、三四六さんのお言葉をお借りするならば「御子柴商会は今後も企てていく」所存です。ご視聴くださった学生さん、ご父母の皆さま、そして最後までこの長文のイベント活動報告をお読みくださった心優しいあなた、ありがとうございました。

文責 明治大学長野県父母会 司会進行・ファシリテーター 御子柴 嘉穂里

「ボク」の「ワタシ」のリアル就職活動体験記2022年3月12日土開催 アーカイブ動画(YouTube)